1. はるかなるモニュメント・ヴァレー
アリゾナとユタの州境に位置するモニュメント・ヴァレーは、『駅馬車』のロケによって世に出た。『駅馬車』はアメリカ映画に多大な影響を与えた名作であり、次いでヴァレー・ロケされた『荒野の決闘』とともに、西部劇史上で甲乙を争う名作である。
2. 騎兵隊3部作の向こうにアイルランドが見える
『アパッチ砦』『黄色いリボン』『リオ・グランデの砦』は騎兵隊3部作として有名だが、根底に流れているのは、ジョン・フォードのアイルランドへの思いと、名もなき兵士たちへの愛惜の情である。
3. アイルランドに『静かなる男』を訪ねて
赤茶けたアメリカ西部の砂漠から、アイルランドの緑豊かな山野に移った『静かなる男』は、フォードが手放しでアイルランド賛歌をうたった幸せな映画。筆者は当時のロケ地を歩き、人なつこいアイルランドの人々との交流を楽しんだ。
4. 最後の輝きとしのびよる落日
孤独な西部男の執念を描いた『捜索者』は、フォード晩年の最高傑作として名を残したが、続く『バファロー大隊』から大作『シャイアン』に至って低迷してゆき、さすがの巨匠にも落日が迫ってくるのを感じさせた。
5. ジョン・フォードがいた風景
西部劇が衰退して久しい88年以降にモニュメント・ヴァレーを旅した筆者が、その現状に様々な思いをいたすとともに、現代の監督たちの作品の中にフォードへの思い入れを探りながら、偉大なる巨匠賛歌をうたう。
モニュメント・ヴァレーの消灯ラッパ
原川順男/著
発行/かんぽうサービス
発売/かんぽう
定価/1,470(税込)
A5判 181頁