医者とペット

ペットの病気予防:大好きなペットが元気でいるために。

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子どもの頃ペットを飼っていた人の多くが、そのペットとの死別を経験します。人間よりも寿命が短い動物を飼えば、必ずその死を看取らなければならないのです。

飼っているペットが少しでも健康で長生きをしてほしいと考えるのは、全ての飼い主の願いかもしれません。

ペットの健康管理を病気予防の観点からみていきましょう。

ペットの病気予防という考え方

ペットが病気になるということ

ひと昔前までは、飼っているペットが病気になるということは、自然の摂理によるものでした。しかし今では外界において、動物が病気になる危険因子が蔓延していることが知られています。飼っているペットを危険な病気から守ることも、飼い主の義務となっているのです。

伝染病に対する予防接種とワクチン

ペットショップで購入されるペットの多くは、狂犬病の予防注射を済ませています。飼い主は毎年の予防接種を継続して受けさせることが求められます。

狂犬病は犬ばかりでなく、人間にとっても恐ろしい病気ですから必ず予防接種を継続して受けるようにしましょう。

狂犬病とは別に、犬の急性熱性ウィルス疾患であるジステンバーや、その他の伝染病に対して効果がある混合ワクチンを定期的に摂取することができます。こちらも年一回の追加摂取で効果が持続されるものであり、病気の予防に大きな効果が期待できます

動物の病気とは別に、動物アレルギーについても記事を書きました

その他の病気、フィラリア、去勢手術と不妊治療

イヌも蚊に刺されることで寄生虫の感染被害を受けるというのは、近年一般的になってきた情報です。犬フィラリアは蚊が媒介し、心臓に寄生する病原虫であり、予防薬の投与で被害を食い止めることができます。

また、オス犬であれば去勢手術、メス犬であれば不妊治療は、単に個体数のむやみな増加を防ぐばかりでなく、睾丸、前立腺、卵巣、子宮といった機関の発癌リスクを軽減する効果が期待できるのです。

ペットの健康維持には何が必要かを考える

大切なのはやっぱり「食事」

人間でも同じことが言えますが、生きている以上その健康は食事に大きく由来します。特にペットは飼い主から与えられるものが、食事のすべてということになりますから、それがいかに重要かは自ずとはっきりすることでしょう。

多くのウェブサイトでは、ペットフードの良し悪しを見分ける方法が紹介されていますから、それらをよく吟味して、自分なりの方法でペットフードを選んでみるのも良いかもしれません。

適度な運動は心身の健康を促進する

これも人間同様、動物の健康を促進、維持するためには適度な運動が必要です。小型犬の多くは室内で飼われ、飼い主の状況によっては散歩にも連れ出してもらえないことも多いものです。イヌは必ず散歩に行かなければならないというものではありませんが、やはり適度な運動のためにも、定期的に散歩に連れ出してあげるようにしましょう。

また、ドッグランなどを活用することで、犬は自由に走り回ることができます。散歩では味わえない解放感をたまに与えてあげることは、犬の精神衛生上良い効果を生むことでしょう。

運動と食事に共通するキーワード「肥満」

動物にもメタボリック症候群のような症状があります。野生状態ではありえないような高い栄養価の食事を、大した運動もしない状態で与えられていれば、動物もすぐに肥満状態になります。

多くの病気がこの肥満によって発生リスクを高めていることは、案外知られていないのかもしれません。

高カロリーなオヤツをついつい与えすぎてしまっているなど、ペットとの付き合い方を根本から見直さなければならないような事例もあります。自分のペットの体重には常に気を配り、定期的に動物病院で健康診断を受けるようにしましょう。

ペットのストレスを考える

ペットを自由にさせることは、ストレスにつながる

ストレスもまた、ペットの病気の要因のひとつと考えることができます。

動物は人間の言葉が話せない分、自分の欲求を正確に伝えることができません。飼い主がペットのためにと思ってやっていることが、実はストレスの原因となっている場合だってあるのです。

野生状態にできない動物に人間社会のルールを教えることは、ストレスを感じさせないための重要な要素なのです。

しつけがストレスを解消する

特にイヌは飼い主に従順である分、その欲求も飼い主によって制御されてしまいます。無駄吠えを叱らなければ、吠えて欲求を満たそうとするでしょうし、わがままを許してしまえば、許されない状況ではストレスを感じることでしょう。

褒められることを至上の喜びと考えるイヌに我慢を教えることは、実はストレスを与えさせない重要な「しつけ」なのだということです。