ペットと暮らす人にとって、そのペットの健康は大きな関心ごとです。
そしてそのペットの健康を支えるもっとも重要なファクターのひとつが食事です。
ここではペットフードの安全性について考えていきます。
目次
ペットフードの安全性について
ペットフードに対する意識の移り変わり
かつては犬や猫を飼っている人々の多くが、その食事にたいしてあまり多くの関心を払ってはいませんでした。人間の食事の残り物を食べさせているケースも多く、どのような食品成分がそのペットにとって危険かという知識も乏しかったのです。
ところが時代が変わり、多くのペットの健康が見直されるに至って、人間が食べる多くの食品が、ペットにとって危険であることが分かってきたのです。
ここにきて、ペットフードも見直されるようになりました。それまでは「高価な人間の食事とは別の安価な食べ物」であったペットフードは、ペットにとって安全と健康を担保してくれる大切な要素に変わっていったのです。
日本のペットフードの原材料表記
さらにそれまで主流となっていた「安価なだけのペットフード」に対して注意が向けられるようになりました。そこにはペットフード産業における闇もまた、垣間見えることとなったのです。
日本においてかつてペットフードには、その安全性を規制する法律が存在しませんでした。2009年になって初めて規制が設けられると、消費者はペットフードの原材料表記を参考に、そのペットフードが安全かどうかを吟味できるようになったのです。
現在、ペットフードの原材料表記については、調理前の重量順に記載することが義務付けられています。
安全なペットフードを選ぶなら、必ず持っていてほしい知識
原材料をじっくりと見る
ペットフードの袋の裏には、必ず原材料表示がなされています。しかし、これをみるとき、ただ漠然と何が入っているのか見ていてもたいしたことはわかりません。
ポイントをいくつか押さえてみるようにしましょう。
主たる原材料がなにか
原材料表記の順番は、そのペットフードのなかで一番たくさん使われている原材料の順番でもあります。トウモロコシなどの穀物が最初に記載されているならば、それは安価な原材料を大量に使用していることを意味します。
意見は分かれますが、そもそも穀物の多くは犬や猫にとって不要とされる原材料ですから、なにかしらの悪影響も考えられます。原材料表記のトップ項目は肉であることが重要です。
どのような肉が使われているか 添加物などはどうか
ペットフードにはヒューマングレードという基準があります。これは人間が食べても問題ない品質レベルであるかという概念ですが、多くの安価なペットフードはこの基準を満たしていません。
たとえば同じ鶏肉でも、鶏肉と鶏肉粉では全く意味が違うのです。前者は純然たる鶏肉ですが、後者は骨や羽、場合によっては糞尿までがミンチにされたものである可能性もあります。
表記にみられる「等、他」は何を意味するのか
また、チキン等とか・・他いう表記も危険です。「等」とか「他」というのは、いったい何が入っているのかわからないということです。単純に書くスペースがなかったというより、明記できないようなものが入っているとみるべきでしょう。
味や品質、臭いをごまかすために配合される添加物も危険性が高く、できる限り避けたい原材料です。
酸化防止剤、防腐剤は何のために入れるのか
ペットフードの原材料となる脂質やひまわり油などは、それ自体問題はないのですが、これらを含むために使用せざるを得ない酸化防止剤には問題があります。
なかでもBHAやBHTは危険性が高いとされ、多くのペットフードが使用を見合わせているようですが、いまだに一部のメーカーが使用しています。ほかにも酸化防止剤があるのに、あえてより危険な種類を使うようであれば購入は避けたほうが無難でしょう。
安全なペットフードの選び方
簡単に言うと、多くのペットフードは危険であり、とても可愛い自分のペットに食べさせられるようなものではありません。しかし、一部の商品についてはある程度の安全性が担保されており、それらはネットやスーパーで購入することができます。
大切なペットの健康にかかわることで妥協はしたくありませんが、どこまでを及第点とするかはその飼い主によって変わってくるものです。
例えば穀物不使用(グレインフリー)という概念ひとつとっても賛否両論で、これの是非はまだ決着がつきません。大切なのは自分のペットの体質と合っているかということなのかもしれません。
ペットフードの選び方についてお話しましたが、ペットを飼う際にはペットショップの選び方も大切です。